種牡蠣とはいったい何のこと?牡蠣の小さいやつのことかな?
こんな疑問にお答えします。
✔︎本記事の内容
- 種牡蠣とは何のこと?
- 種牡蠣の養殖について
- 種牡蠣産地の産地について
✔︎本記事の信頼性
- 大手水産会社に7年勤務
- 種牡蠣販売会社を経営
- 岩牡蠣はAmazonで販売中
こんな私が解説します。
結論、種牡蠣とは赤ちゃんカキがホタテの貝殻にくっついた状態のものを指します。
業界の中では一般的に『タネ』と呼ばれており(何かこう聞くと亀のマークのお菓子を連想しそうですが…笑)、コレクターともいいます。
本記事では種牡蠣のもうちょっと詳しい解説と、養殖、産地についても解説していきます。
- 種牡蠣って何だろう?
- 牡蠣養殖について知りたいな?
- 種牡蠣ってどこで採れるの?
こんな疑問を持ってる方向けの記事になっていますので、読んでもらえると嬉しいです。
種牡蠣とは何のこと?
種牡蠣とは赤ちゃんカキのこと
柿の種ならぬ(笑)、種牡蠣とは赤ちゃんカキがホタテの貝殻にくっついたものを指します。
この種牡蠣がどうやってできていくのか、時間の流れに沿って説明します。
✔︎繁殖の季節
岩牡蠣でいうと、産卵の時期は5月から6月。
この間に海中にいる大人の岩牡蠣から精子や卵が吐き出され、繁殖の季節を迎えます。
✔︎海の中で受精
吐き出された精子や卵は海中で受精し、受精卵となります。
- 受精卵
- トコロフォア幼生
- ベリンジャー幼生
- D型幼生
- アンボ幼生
このような幼生プランクトンの成長段階を経て、本物の牡蠣になるべき場所を探してさまよい続けるのです。
✔︎いよいよ種牡蠣に
この季節に合わせ、あらかじめ用意しておいたホタテ貝の貝殻を海中に吊り下げておきます。
するとこの貝殻に幼生たちがくっつき、種牡蠣と呼ばれる状態になるわけです。(画像参照)
ここまでの工程を天然採苗といい、反対にこの工程を人工的におこなったものを、人工採苗といいます。
※ その違いについては次の項目で解説します。
こうして大きくなった種牡蠣は全国各地に出荷され、海中の中で1年から2年かけて大きな牡蠣に成長していくのです。
種牡蠣の養殖について
牡蠣の養殖方法ではなく、種牡蠣の養殖方法の解説です。
詳しい内容についてはこちらの記事で解説しているので、ここでは概要だけにしておきます。
養殖する方法は2つある
- 方法①:天然採苗
- 方法②:人工採苗
先ほど説明した通りです。
天然の受精卵を自然の方法で採取するため、こう呼ばれます。
✔︎方法②:人工採苗
手順は3つあります。
- 手順①:親牡蠣を水槽で育てる
- 手順②:人工授精で産卵させる
- 手順③:稚貝になるまで育てる
親から人工で作ります。
シングルシード方式といい、比較的大きくなりやすい環境で親牡蠣を育てます。(手順①)
大きくなった親牡蠣に人工授精を施して産卵(手順②)、稚貝になるまで人工的に育て続けます。
天然採苗と人工採苗の違い
- 違い①:質
- 違い②:量
- 違い③:額
育てあがった牡蠣にはこの3つの点で違いが見られます。
✔︎違い①:質
質は人工です。
サラブレッド同士を掛け合わせてさらに良いものを作り上げるので、出来上がった牡蠣も立派なものが多いです。
✔︎違い②:量
量は天然です。
天然は途中で死ぬケースがほぼないんですよ。
逆に人工は最初温室でぬくぬく育てられてます。
ある程度大きくなったら自然の海に放流されるんですが、どうしても馴染めなくて死んじゃう牡蠣がたくさん出ちゃうんです。
✔︎違い③:額
『モノが良くて数が少ない』
こうなると価値が高まるのはどうしても人工になっちゃいます。(最初からかなり手もかかってますしね)
とはいえ、天然でも大きくならないわけじゃないんですよ。
耳吊式というやり方を行なっている網元さんでは、人工モノをも凌ぐ大きさの牡蠣を作ってるところもあります。
※数年前ですが、YouTubeの『釣りよかチャンネル』さんで耳吊り式で大きく育てられた岩牡蠣(宮崎県細島産)が紹介されましたので興味がある方はどうぞ。
種牡蠣の産地について
- 広島
- 宮城三陸
- 宮崎細島(自社の紹介)
こちらの記事で詳しく解説しているため、概要だけ。
≫種牡蠣の産地について
広島
生産数全国1位の広島県、種牡蠣も豊富な自然環境に恵まれて育つようです。
採苗エリアは大黒神島。
なんと450年前から牡蠣の養殖を行なっており、おそらく日本最古の場所といえるでしょう。
こちらに問い合わせたい方は、下記リンク先の広島県魚連さんへどうぞ。
≫広島県魚連さんの公式ホームページはこちら
ちなみに広島で採れているのは真牡蠣のようです。(旬は冬)
宮城三陸
- 宮城県万石浦(三陸)
- 宮城県東松島(三陸)
ここが採苗のエリアになります。
✔︎宮城に牡蠣の王アリ
実はこの宮城三陸エリア、今や世界各地に広がる牡蠣養殖の元祖となった場所ともいわれているんです。
- 牡蠣の王:宮城新昌
今から230年ほど前、宮城県石巻市でこの方が考案したのが今も使われている垂下式養殖です。
元々は海外に輸出するために考え出された方法だったんですね。
輸出となると輸送時間がかかる。
つまり、その運んでいる間に種牡蠣がよく死んでしまうため、垂下式養殖を発明して安定的に海外へ輸出したそうです。
広島は450年も前から牡蠣養殖をやっていて歴史が深く、宮城も230年もの歴史と革新的な技術が生まれた素晴らしい産地であることに間違いはありません。
宮崎細島(自社の紹介)
歴史は30年足らずです。しかし、モノには自信があります。
- 人工採苗の種牡蠣の数:10個/枚
- 宮崎天然採苗の種牡蠣の数:30個/枚
平均で3倍。これが宮崎細島の種牡蠣の実力です。
✔︎デメリット:数がそんなにない
自信満々に質の自慢をしてしまいましたが、数はまだまだ少ないんです。
大規模に天然採苗をやればもっと採れるのかもしれませんが、今は1年間に1万枚が限度。(現在契約いただいている網本様分を抜いて)
これだけしか用意できないのがデメリットではあります。
✔︎メリット:牡蠣養殖成功の鍵は種牡蠣にアリ
「牡蠣養殖成功の鍵は8割方、種牡蠣である」と最初にお伝えしました。
その大事な部分である種牡蠣が1枚のホタテ貝に通常の3倍ほども付着しているというのは大きなメリットです。
- これから牡蠣養殖を始めようと考えられている方
- さらに牡蠣養殖を拡大させていこうと思ってる方
- 牡蠣養殖がなかなかうまくいかずに悩んでいる方
そんな方にまずは少量からお試し頂けると嬉しいです。
お問い合わせフォームを載せておきますので、お気軽にご相談ください。
≫お問い合わせはこちらから
以上が種牡蠣の解説になります。
このブログでは種牡蠣のことや岩牡蠣のこと。真牡蠣のことなんかも紹介していきますのでよかったらまた遊びに来てください。
それではまた^^